冬の房総 12/2 千葉

千葉県民のうちに湿地性アオゴミムシの類は色々採集しておきたい。

房総半島の照葉樹林にはこの時期サヌキキリガという分布が局所的な蛾がいるとかいないとかで、これも見ておきたい。

ということで房総めぐりが企画された。

東京でレンタカー借りて2時間くらい、まず一つ目の目的地に。

中部くらいまでくると里山谷津田が残されているような環境が出現する。

ゴミムシ掘りは谷津田周辺の粘土質の崖を狙うのがいいとされている。

これが中々難しい。日当たりのいい空間に粘土質の崖はなかなかできない。

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やっとこさいい崖を見つけ掘っていく。

オオキベリが出土した。

千葉で出したのは初めてかも。

アマガエルを専食する珍しいアオゴミムシ。

幼虫はアマガエルののど元に噛みつき、体液を吸い続ける。

顎の先端に棘があるようで噛んだら離さない構造らしい。

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オオキベリ。掴むと噛むしぐさをしてきた。幼虫同様獰猛かもしれない。
エリトラがほのかに青く輝くのがまたよい。

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ムナビロアトボシアオかな。

林縁の崖から出た。本州では千葉でしか見たことがないかも。

水田に接した落葉広葉樹林帯にいるという記録があり、今回はまさにそのような場所。

 

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こうやって見てみるとオオキベリってやっぱりでかいですね

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ヒメキベリアオ

まとまって出ることが少ないような気がする。どんな崖からでも出てくるけど。

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ミイデラ

こいつも粘土質からよくでてくる。

オオサカアオゴミが出なかったが、オオキベリが出てきたのでまあまあ満足。

夕暮れ前に照葉樹林帯に移動し、糖蜜を仕掛ける。

キリガの多くは糖蜜で採集すると効率がいいらしい。

塗ってから30分ほど経ち、日も暮れてきた。

しばらくしてゆらゆら不規則に飛ぶ蛾たちが飛んでいるのが確認できた。

 

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 キリガsp

糖蜜に来た。

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ナワキリガでいいのか。蛾の同定はわからぬ。。

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サヌキキリガ

今回のメインターゲットらしい。

房総半島が分布の東限のよう。照葉樹林依存なのかと思ったけど、採れた場所は氷河期の名残のモミとか生えているようなエリアで、植生も様々で照葉樹だけというような場所ではなかった。