ヤマネコの棲まう島 7/15〜17 対馬

 

去年あまり特産物を見ることが叶わなかったので、リベンジに再訪。

 

14日に5時ピンで職場から空港までダッシュし、最終便で博多まで。

最近はこのパターンが多い気がする。

15の朝一便で対馬へ。

 

まずは花掬いから。下対馬の山を走っている林道を適当に流す。

対馬はリョウブが結構生えており、掬う花には困らなかった。

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 クスベニカミキリ

対馬のクスベニは黒化傾傾向が強く8割強はこのような個体。

全身赤はたまに混じる程度だった。

 

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スネケブカヒロコバネカミキリ

三年ぶりに見たブラシくん。よくいるみたいだ。

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その他、ツシマヨツスジハナ、オオヨツなど。

 

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ハナノミや、何故かアカメガシワ掬ったらマスダクロホシがぞろぞろ。後食するのか?

 

花掬い後にコップとバナトラを設置。

バナトラは木の根元に置き、比較的大きめの石を上に乗せたもの。

チョウセンヒラタ狙いである。イノシシやシカ対策で石を積み上げる。

ヒラタはある程度隙間のような空間が好きな気がする。奄美のスジブトもよくきていた。

 

その後はクヌギなどの林を探すも、あまりいいものは見つからず、、

クヌギはどこにあるんだろう。林縁脇の畑沿いとか?結局この遠征ではあまりよくわからなかった。

 夜戦へ。

あらかじめ見つけておいた土場にライトを照らしながら散策すると

 

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チョウセンシロ。

欲しかった対馬特産種。

美しい。色素が薄くなったようなカミキリは見たことがあっても、白色のカミキリは初見で見つけた時は思わず息を飲んだ。ホストはクワとニレ科のようで、積み上げられた材にケヤキが混じっていたのでそれに飛んできたのだろう。

 

タカサゴシロもいました。

同行のKくんはムツボシシロも。

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アオスジカミキリはやたら多かった。

 

土場を後にし灯火めぐり。

 

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ヒメダイコクコガネ

対馬と言ったらな虫。去年採れなかったので嬉しい。

最近はツシマジカの増加に伴い多くみられるようになってきたらしい。

ツシマジカは戦後狩猟で減少したそうだが1966年に天然記念物指定されてからアホみたいに増えてしまったそうな。シカが増えると林床が滅茶苦茶なことになる。ツシマウラボシシジミが減った原因は間違いなくツシマジカだしね。

奥多摩なんかも乾燥化が激しいし、このままだと森がなくなるのではという勢い。

 

ヒメダイコクだが、たくさんいるとか噂される場所にも行ったけど数匹しかいなかった。なぜ?

端境期か?

 

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ルリゴミダマ

初めて見たけど全国にいるらしい。

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シマゲンゴロウ

 まさかここで採れるとは。200mはある高台の灯火で、麓まで下りないと湿地なんかない。

対馬ゲンゴロウってイメージが全くなかったので新鮮だった。

 

バナトラにきていたツシマカブリモドキ

やっぱかっこいいですね、これ。

 

7/16 午前中キンオニを狙うもスカる。材が分かってないんだろうな〜、オニクワガタは水分を多く含んだ倒木に入るイメージがあるので、キンオニも例に倣って湿り気のある材を探すのだが中々見つからない…

数時間探すもヌル。

 

気を取り直して昼にバナトラをチェックしに行く 。

バナトラは幸い獣害に遭っていなかった。獣が少ないエリアなのかもしれない。

石をひっくり返すと、明らかにツシマヒラタとは違う何かがいる。。。

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チョウセンヒラタゲット!

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 前脚の湾曲具合が強い、

 

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同所で採れたメス

眼は外縁で覆われている。多分。。

ペアで採れたのでブリードしてみようと思う。

それにしてもチョウセンヒラタが採れた環境はほんとに貧弱だった。

照葉樹林の中にぽつぽつ細いコナラがある感じ。

ツシマヒラタとの競争に勝てないため、海岸線沿いの貧相な環境にいるというのはあながち間違いではないのかもしれない。あとは昼行性化も。

 

次は去年訪れたヤノトラのいる場所へ。

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去年採れたエノキの衰弱木は完全に枯れていたが、他のエノキの部分枯れに付いていた。

大きめの雌も採れ満足。

そろそろ日も暮れはじめる。

夜戦、特筆すべきような虫はいなかったような気がする。ヒメダイコクが鹿糞に寄ってたかってたり、

クヌギの林でツシマヒラタを採ったくらい。対馬の樹液採集難しい。

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モモブトシデムシ

初採集でした

チョウセンヒラタが採れた場所にも行ったけど、なんにもいなかった。

強く夜行性を示すわけではなかったりするのかな?単にこの場所が薄いだけなのかもしれないけど。(17日の晩にもついていなかったらしい。)

  

7/17 自分にとっては最終日。昼には帰らないといけない。キンオニリベンジ。

 

昨日は麓の沢沿いから上がって行ったので時間がかかったのかも、と思い、ある程度標高を上げてから沢沿いを登ることにした。

 

それにしても、真夏に材割りは汗の噴き出しが止まらず苦行みたいだ、

対馬の山はかなり蒸し蒸しする。。

 

標高400mくらいだったろうか、黄土色みたいな腐朽材を斧で割ると…

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キンオニ。雌だ。ようやく姿を現した。

この木から10頭ほど出たと思う。

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そのあと♂も出てきた。

アゴのタテヅノ素晴らしい。

しかし結局この材でしか採れなかったので、いつかまたリベンジしたいところではある。。

 

昼前に下山して温泉に入り帰途へ。

次に来るのはいつ頃だろうか…ゴミダマやツシマセダカ、そしてツシマヘリビロトゲハムシなど、まだまだ採りたい虫は多い。