冬の採集ラストスパート 3/24  静岡

お誘いをいただき、静岡へ。

千葉はもう春うららな陽気だけど標高1000mも超えてくるとまだまだ銀世界。

f:id:hitoyasumi06:20191221134251j:plain

ここまで積もっているとは思わなかった。

動いてないと凍死する。果たして、採集が成り立つのか?という不安が出てきたが、とりあえずやってみよう。

今日はブナ帯のクワガタ採集だ。まずは、ヒメオオクワガタを探す。

ヒメオオクワガタはブナやミズナラの白枯れ材の倒木や立ち枯れに雌は産卵するという。

かなり硬い材や根部を幼虫は食い進むとのこと。

雪をかきわけ、倒木を掘り出す。

すると、幹ごと倒れた見事なブナ倒木が出てきた。

これを削っていくが、とても硬い。ヒメオオの材が硬いといわれるのがよく分かった。

水分量が比較的一定だから幼虫も好むだろうか。

15分くらい削ってようやく食痕が見えてきた。

f:id:hitoyasumi06:20191208031940j:plain

茶色く線状に連なっているのが食痕。これを追っていけば幼虫かはたまた成虫が顔を出すはずだ。しつこく掘ってみる。

f:id:hitoyasumi06:20191208031955j:plain

幼虫が顔を出した。ヒメオオか、アカアシかどちらかだとは思う。

持ち帰る。しばらくして根元の軟らかい部分をオサムシでもいないかなと思って削ってみると・・・

f:id:hitoyasumi06:20191208031901j:plain

で、でかい!ヒメオオの雄が現れた。

どうやら初齢から羽化までずっと硬い心材部にはいるわけではなく、前蛹間近になったら樹皮付近まで進み、蛹室を作ることがあるようだ。

確かに、羽化までうまくいっても、ナタでやっとこさ削れるような硬さの材から脱出するのはクワガタにとっても一苦労なのだろう。

f:id:hitoyasumi06:20191208031824j:plain

52mmほど。雄初採集にしては上出来だ。

その後も雌と幼虫をいくつか追加した。

次はツヤハダクワガタを探す。この地域はミヤマツヤハダという亜種になるようだ。

f:id:hitoyasumi06:20191221134256j:plain

曇ってきたからか視界が悪い。

f:id:hitoyasumi06:20191208031945j:plain

コルリの産卵マーク。カチコチで割れなかった。雪が積もっているときは倒木に産むコルリの材採集の難易度が3段階くらい上がる。

f:id:hitoyasumi06:20191208031923j:plain

お連れしていただいた方がとてもよさげな赤枯れを発見した。

程よく芯が残っている赤枯れで、硬い部分との境からたくさん幼虫が出てきた。

f:id:hitoyasumi06:20191208031818j:plain

ツヤハダの幼虫。色素が薄きてケツが尖がるので他の国産クワガタとは区別が容易。

f:id:hitoyasumi06:20191208031852j:plain

なんとか成虫も出すことができた。

幼虫の比率が圧倒的に多かった。秋ぐらいまで待てばもっと成虫がいたのかもしれない。

f:id:hitoyasumi06:20191208031834j:plain

 オサムシはクロナガだけ。スギ材から。アルマンは採れなかった。

久々のブナ帯採集でリフレッシュできた。